匿名掲示板「2ちゃんねる」(2ch.sc)や「5ちゃんねる」(5ch.net)に名誉毀損や誹謗中傷の書き込みをされたときは、リバースSEO(逆SEO)で対応するという手段があります。 書き込み(レス)またはスレッドの削除依頼が却下されたら、逆SEOを検討しましょう。

リバースSEOとは

リバースSEOとは、名誉毀損やプライバシー侵害などのの不当なサイトの検索順位を押し下げる取り組みのことです。 ネット上にデマや事実無根の誹謗中傷が広まってしまったときに、対抗手段として行うものです。

デマや嘘ではなく事実を検索上位に

本来であれば、ネット上でのデマや虚偽の批判に対しては、それを否定するなり、反論するなりの言論活動で対応すべきです。 しかし、現実は、それだけで済まされない場合が多いです。 デマを事実だと信じてしまい、「2ちゃんねる」(2ch.sc、2ch.net)や「5ちゃんねる」(5ch.net)といった掲示板や、ツイッター(twitter)で、みるみるうちにウソの情報が拡散する傾向があります。 そうなると、風評被害は甚大なものになります。

法的手段による解決や救済が困難なとき

デマや虚偽であれば、管理人への削除依頼や裁判を通じて、削除を実現するという手法がありますが、法的手段に訴えたり弁護士に依頼したりすることが困難であったり、裁判を起こしても裁判所が虚偽であると判断してくれないときもあります。 そんなときに、デマや嘘ではないことが書かれたサイトを検索結果の上位に表示される手法が「リバースSEO」です。 つまり、リバースSEOは、事実や真実をネットで訴えるとともに、それを検索上位に引き上げるSEO対策だということです。

「隠蔽」ではない

本来のリバースSEOは、隠ぺい行為ではありません。 大企業や悪徳企業、詐欺的な商売をしている企業や犯罪者が、事実を隠そうとする行為とは異なります。 「言論の自由」やインターネットという利便性の高いメディアを悪用した誹謗中傷や根拠のない噂話、誤情報の拡散への対抗措置です。 まっとうな個人の人格を傷つけたり、プライバシーや個人情報保護の権利をふみにじろうとする嫌がらせへの自衛策です。 正当な経済活動や営業活動を邪魔しようとする悪質な妨害行為に対する正当防衛です。

メディアの誤報に対抗

テレビや新聞などの大手メディアでも、誤報を流すことはよくあります。 後から訂正を出しても、「時すでに遅し」で、その誤報によってネットでの風評被害は拡大してしまっています。 そのような被害を食い止めるためにも、リバースSEOに取り組む必要があります。

DMCA悪用との関係

リバースSEOと似たような行為に、「DMCA」による削除や非表示という対策があります。 DMCA(デジタルミレニアム著作権法)とはアメリカの法律です。 DMCAに基づき、Google(グーグル)などの検索エンジンに対して、特定のサイトの削除を申請し、認められると、検索結果から消えます。 これは、たいへん有効な手段です。 この手法でデマや虚偽の情報を消すことが可能です。

拡散とストライサンド効果

しかし、DMCAを乱用して、まっとうな言論活動を封印したり、片っ端から消そうとするのは問題です。 それこそ隠ぺい行為と受け止められかねず、炎上を招きます。 とくに注目度が高い企業や有力な個人がそれをやると、批判の対象になります。 正当な批判をネットから消そうとして、かえって批判が拡散することを「ストライサンド効果」と呼びます。 リバースSEOは、DMCA申請とは異なる活動ですが、リバースSEOを行うにあたっても、正当な批判や評価、口コミまで消そうとするのはナンセンスです。

違法ではない

リバースSEO(逆SEO)自体は、違法ではありません。もし仮に、特定のサイトをハッキングするなどして、強引に消したり、順位を引きずり落としたりすれば、違法になるでしょう。 しかし、それは本来のリバースSEOではありません。 リバースSEOは、嘘の情報を否定し、正しい情報(事実)をより多くの人に見てもらうために行う「検索対策」です。 検索エンジンが、メディアの誤報やデマによって占拠される活動であり、通常の言論活動や広報活動と同列に位置づけられるべきものです。 したがって、リバースSEO対策を行うときも、決して違法な手段を使わないようにしなければなりません。 法律に違反するような手法を用いれば、やはりそのリバースSEOは違法だということになります。

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5ちゃんねる(旧・2ちゃんねる)とリバースSEO

5ちゃんねる(旧・2ちゃんねる)やそのミラーサイト(まとめサイト)に、事実無根の誹謗中傷や、大切な個人情報を書き込まれたときは、メールなどで削除依頼をしましょう。(その際、削除依頼で書いたことがネット上に公開されてしまうか、公開されずに済むか、事前に確認をしましょう。)

削除依頼が拒否または無視されたら

5ちゃんねる(旧・2ちゃんねる)に対する削除依頼が拒否または無視されたら、最寄りの地方裁判所に対して、削除の仮処分を申請するという方法があります。仮処分の申し立てが通れば、その決定文書をサイト管理人に示すことで、削除に至る場合が多いです。

仮処分が難しいとき

検索結果からの削除

裁判所で2ch削除の仮処分を得るのが難しいときは、グーグル(Google)の検索結果から削除するという方法があります。Googleから削除されれば、自動的にヤフー(Yahoo)からも消えます。グーグルへの削除申請は、通常はネットから行う場合が多いです。

グーグルにも拒否・却下されたら

グーグルにも削除依頼を拒否・却下されてしまったら、リバースSEO(逆SEO)を検討するといいでしょう。リバースSEOなら、第三者の法律的な判断に依存することなく進めることができます。ただ、難易度が高いケースだと、費用と時間がかかってしまうというデメリットがあります。2chや5ちゃんねるの掲示板のスレッドのタイトルに検索キーワード(名前や会社名)が含まれていると、リバースSEOの難易度が高くなります。レスに1回や2回だけ個人名が出たくらいなら、料金も期間もそれほどかからないでしょう。

2ちゃんをめぐる経緯と現状

2chをつくった西村博之(ひろゆき)氏と、2ch(現在の5ch)を運営する米国人ジム・ワトキンス氏が対立しています。

ワトキンス氏は西村博之氏から2ちゃんの名義を譲り受け、名義人として2ちゃんを運用してきました。実質的な2ちゃんの運営の指揮権は西村博之氏が握り続ける一方で、ワトキンス氏が米国にあるサーバーを管理し、役割分担してきました。

西村氏は2ちゃんから広告収入を得て、ワトキンス氏は有料会員からの会費で得ていたとされます。

しかし、2ちゃんの有料会員のシステムが2013年にハッカーによって侵入され、会員情報が流出。有料サービスは閉鎖に追い込まれました。それ以外、ワトキンス氏は収入を失い、サーバー代が払えなくなりました。

そこで、困ったワトキンス氏は2ちゃんを乗っ取るという強硬手段に出ました。乗っ取るといっても、2ちゃんの名義はすでにワトキンス氏にあるため、当然の権利を実行しただけにすぎないかも知れません。

2014年2月、2ちゃんねるへのアクセス権限を掌握し、旧運営人の多くがアクセスできないようにしました。

これに対し西村氏は「ジムは2ちゃんねるを乗っ取った不法行為者」との批判を展開。2ちゃんねるに全くそっくりな「2ch.sc」というサイトを立ち上げて対抗しました。

さらに、ワトキンス氏は、これまでネットユーザーが自由に使ってきた2ちゃんねるの投稿内容を一切転載禁止にしました。これにより2chの書き込みを自動的にコピーしていた「ミラーサイト」(まとめサイト)が運用できなくなりました。ミラーサイトの運営者たちは、広告収入によって多額の利益を稼いでいたとされ、月1千万円を超す広告収入を稼ぎだしてきた会社あるといいます。こうした会社にとっては、大きな打撃となりました。

さらにワトキンス氏は、西村氏が取締役を務め、これまで2ちゃんねるのデータを独占的に取得してきた「未来検索ブラジル」に対してもアクセス禁止措置を取りました。

5ちゃんねるに名称変更

ジム・ワトキンス氏らの新体制側は、2017年10月、「2ちゃんねる」の名称を「5ちゃんねる」に変更しました。主たるドメインも「5ch.net」に変わりました。(ただし、従来の2ch.netもそのまま使われています)。これは、ひろゆき氏が「2ちゃんねる」や「2ch」の商標権を握っていることから、その権利を侵害したと訴えらるのを避けるのが目的だと見られています。名称は変更したものの、運営方法や削除依頼の受け入れ体制、依頼方法などは変わっていません。

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